障がい者の高齢化問題と「親亡き後」──共生型サービスでの解決策
「親亡き後」── 障がい児を持つ家族の最大の不安
知的・身体・精神障がいのある方が高齢化し、それを支える親自身も高齢化する ── これが「老障介護」と呼ばれる現代日本の福祉課題です。親が80代、障がいのある子が50代という8050問題に直面しているご家族は全国で増加し続けています。
本記事では、「親亡き後」の暮らしをどう設計するか、共生型サービスとグループ内移行による解決策を解説します。
障がい者の高齢化が進んでいる現実
厚生労働省の調査によれば、知的障がい者の50歳以上の割合は1995年の約20%から2020年は約40%へと倍増し、身体障がい者の65歳以上の割合は約74%に達しています。
背景には①医療の進歩で平均寿命が延びたこと、②本人の高齢化と並行して親も高齢化していること、があります。問題は、従来の障害福祉サービスは「青年〜中年期」を想定した設計であり、高齢化に伴う身体機能低下・認知症併発に十分対応できていない点です。
「65歳の壁」── 介護保険優先原則
障がいのある方が65歳に到達すると、障害者総合支援法第7条の「介護保険優先原則」により、原則として介護保険サービスを使うことになります。慣れ親しんだ障害福祉事業所から介護保険事業所へ切り替えると、人・場所・支援内容が一気に変わるため、ご本人の混乱・生活の質低下が起こりがちです。
詳しくは障がいのある方の「65歳の壁」記事をご参照ください。
共生型サービスが「壁」を実質撤廃する
2018年の介護保険法・障害者総合支援法の同時改正で「共生型サービス」が制度化されました。同一事業所が介護保険と障害福祉の両方の指定を受けられる仕組みです。これにより、65歳になっても同じ場所・同じスタッフでケアを受け続けられるようになりました。
宗德グループのヴィラきみかげ荘は、共生型サービス制度化の12年も前の2006年から共生型実践を続けてきた草分け施設です。
「親亡き後」の3つのシナリオ
親亡き後の暮らしをデザインする際、主に3つのシナリオから選びます。
① グループホーム入居:障害者グループホーム(共同生活援助)で5〜10名の共同生活。日中は通所施設、夜間はグループホーム。檀(2026年夏開所予定)はこのタイプ。
② 障害者支援施設入所:24時間対応の施設で長期入所。重度の方向け。
③ 共生型特養への移行:65歳以降、共生型特養に長期入所。葵水ケ花は2027年4月から共生型特養39床に拡大予定で、このルートに対応します。
制度を超えた「人と場のつながり」
「親亡き後」で最も大切なのは、ご本人が「自分を知っているスタッフ・なじみの場」と離れずに済むことです。突然見知らぬ施設に移されると、本人の不安・行動障がいの悪化につながります。
宗德グループは、ヴィラきみかげ荘のショート→離庵の通所→檀のグループホーム→葵水ケ花の共生型特養と、生涯を通じた「同じ法人・連続的な支援」を提供できる稀有な体制です。
親が元気なうちに準備すべきこと
「親亡き後」の準備は、親が元気なうちに進めるのが鉄則です。具体的には:
① 成年後見制度(本人の財産・身上監護を担う後見人を決める)
② 親なきあと信託(親の財産を子の生活費に充てる仕組み)
③ 障害基礎年金の確保(請求漏れに注意)
④ ケアプラン・施設の段階的検討(複数の選択肢を見学)
⑤ 親自身の介護プランも並行(共倒れ予防)
これらは社会福祉士・行政書士・ファイナンシャルプランナー・施設の生活相談員が連携して支援します。
親子で同時にショートステイという使い方
「親が体調を崩している時だけ、子も一緒に預けたい」というご相談も増えています。ヴィラきみかげ荘は共生型のため、高齢の親と障がいのある子を同時に同じ施設で受け入れ可能です。離れずに一緒に過ごせる安心感は、別々の施設では得られないメリット。
詳しくは障がいのある我が子と老いる親 ── 共生型だから両方受け入れられるの記事もご覧ください。
ご相談はお早めに
「親亡き後」の準備は、長期的・段階的なプロセスです。10年後を見据えた計画を、今から少しずつ進めるのが理想です。宗德グループの相談支援専門員・生活相談員が、無料でご相談に応じます。
お電話は本部024-937-0380まで。