仕事を辞める前に──介護離職は年10.6万人

総務省「令和4年就業構造基本調査」によれば、介護・看護を理由に離職した人は年間約10万6千人にのぼり、5年前の前回調査から約7千人増えています[1]。離職者の約8割は女性、年代では50代が最多です。

しかし、介護を理由に一度仕事を辞めると、収入の減少だけでなく再就職の難しさ、社会とのつながりの喪失という二次的な負担が生じます。「辞める」より先に使える制度を知っておくことが、ご本人・ご家族双方を守ります。本記事では、首都圏で働きながら郡山・那須の親を支える視点で、両立支援制度を整理します。

介護休業──対象家族1人につき通算93日・3回まで分割

育児・介護休業法に基づく介護休業は、要介護状態の対象家族1人につき通算93日まで、3回を上限に分割して取得できます[2]。「93日連続」ではなく分割できるのがポイントで、入院の付き添い・施設探し・看取りなど、節目ごとに分けて使えます。

対象家族は配偶者・父母・子・配偶者の父母・祖父母・兄弟姉妹・孫。2017年の法改正で、祖父母・兄弟姉妹・孫の「同居・扶養」要件は撤廃され、別居の親でも取得できます。首都圏在住で郡山の親、というケースでも問題なく対象です。

介護休業給付金──賃金の67%が支給される

介護休業期間中は給与が支払われないことが多いですが、雇用保険から休業開始時賃金日額の67%が「介護休業給付金」として支給されます[2]。93日分をフルに使った場合、おおよそ3か月分の収入の3分の2が補償される計算です。

申請は原則として勤務先(事業主)経由でハローワークに行います。「無給だから休めない」と諦める前に、給付金の存在を前提に資金計画を立ててください。

介護休暇──年5日(対象家族2人以上は10日)の短時間休暇

介護休業とは別に、介護休暇があります。対象家族1人なら年5日、2人以上なら年10日まで、1日または時間単位で取得できます。通院の付き添い、ケアマネとの面談、施設見学など「半日だけ」「数時間だけ」という用事に向いています。

遠距離介護では、この介護休暇を金曜午後や月曜午前に充てて帰省日程を組むご家族が多くいます。詳しい帰省の工夫は遠距離介護の記事をご覧ください。

所定外労働・時間外労働・深夜業の制限

介護をしている労働者は、請求すれば残業(所定外労働)の免除、時間外労働の制限(月24時間・年150時間まで)、深夜業の制限を受けられます。これらは日数の上限なく、介護が続く間は繰り返し利用できる継続的な制度です。

「休業を取るほどではないが、毎日の残業がきつい」という段階では、まずこれらの制限を勤務先に請求するのが現実的です。

施設という選択肢が「両立」を可能にする

制度を使っても在宅介護を一人で抱えるのは限界があります。施設やショートステイを介護体制に組み込むことが、結果的に仕事との両立を可能にします。特に遠距離の場合、親の生活の拠点を信頼できる施設に置くことで、毎週の帰省が不要になり、ご家族の心身の負担が大きく下がります。

「在宅か施設か」で迷う段階の方は、在宅介護と施設介護の比較記事も参考にしてください。

宗德グループの「介護の駆け込み寺」が窓口に

「制度は分かったが、どこに何を相談すればいいのか」── その入口になるのが宗德グループの介護の駆け込み寺です。生活相談員が、ご家族の就労状況・親御さまの状態・ご予算をうかがった上で、ショートステイから長期入所まで、グループ内で最適な組み合わせをご提案します。

まずは緊急避難的にヴィラきみかげ荘の共生型ショートステイを使い、その間にじっくり長期の方針を決める、という進め方もできます。

「辞める」前に、まず電話で相談を

介護離職の多くは「相談先が分からないまま、限界が来て辞めてしまう」というパターンです。制度の活用も施設の利用も、早く動くほど選択肢が広がります。会社の人事・地域包括支援センター・ケアマネジャー、そして施設の生活相談員 ── 複数の窓口を早めに押さえてください。

宗德グループ本部024-937-0380へ。働きながら介護を続けるための現実的な道筋を、一緒に考えます。

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この記事を書いた人
宗德グループ 生活相談員チーム
首都圏で働きながら福島・栃木の親御さまを介護するご家族の相談に多数対応。仕事と介護の両立を前提にした施設活用をご提案します。 著者プロフィール →
出典・参考文献
  1. 総務省「令和4年就業構造基本調査」:公式
  2. 厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし(介護休業・介護休暇)」:公式