介護費用は「公的軽減制度」で大幅に下げられる

「特養に入れたいけど月15万円は厳しい」「在宅介護でデイサービス費が積み重なる」── 介護費用への不安は多くのご家族が抱えています。けれど、公的な軽減制度を組み合わせれば、自己負担を半分以下にできるケースが少なくありません。

本記事では、ご家族が知っておくべき5つの軽減制度を、適用条件と申請窓口とともに解説します。

制度1:負担限度額認定(食費・居住費の軽減)

特養・老健・ショートステイの食費と居住費(部屋代)の自己負担を上限額で抑える制度です。所得に応じて第1〜第3段階に区分され、それぞれ軽減幅が異なります[1]

例:第3段階①(年金収入120万円以下)の場合、多床室の居住費は1日370円、食費は1日650円が上限。これだけで月3.5万円ほど軽減され、特養多床室なら月5〜7万円台で利用できるケースもあります。住民票のある市町村の介護保険担当課で申請。住所地特例で他県施設を利用しても、認定はそのまま継続されます。

制度2:高額介護サービス費(自己負担の月額上限)

1か月の介護保険サービス自己負担が一定額を超えると、超過分が払い戻されます。所得区分により月額上限が決まっています[2]

・住民税非課税世帯:月額24,600円
・年金収入80万円以下:月額15,000円(個人)
・課税所得380万円未満:月額44,400円
・課税所得380万円〜690万円:月額93,000円
・課税所得690万円以上:月額140,100円

※2025年8月から所得区分基準額が一部改正。申請は市町村介護保険課へ。一度申請すれば毎月自動的に超過分が振込まれます。

制度3:高額医療・高額介護合算療養費

1年間(8月〜翌年7月)の医療保険+介護保険の自己負担合計が、所得区分ごとの上限を超えた場合に超過分が支給される制度です。

例:70歳以上・住民税非課税世帯の年間上限は31万円。上限を超えた分は払い戻し対象です。医療と介護が両方かかるご家族は、確実に申請すべき制度です。市町村と各健康保険組合に同時申請。

制度4:医療費控除(介護費用も対象)

意外と知られていませんが、介護費用の一部は所得税の医療費控除の対象になります。①介護老人保健施設・介護療養型医療施設の費用、②訪問看護・訪問リハビリ、③通所リハビリ、④医師の指示書がある訪問介護の身体介護分などが含まれます[3]

確定申告時に医療費控除を申請すると、所得税・住民税が還付・軽減されます。介護家族の総医療費が年間10万円(または所得5%)を超えるなら必ず確認すべきです。証明書は施設・事業者から発行されます。

制度5:社会福祉法人等による軽減制度

社会福祉法人が運営する特養・ショートステイなどでは、住民税非課税世帯等を対象に自己負担額をさらに4分の1〜全額軽減する制度があります。

対象となるのは、年収・預貯金が一定基準以下の方。市町村への申請後、社会福祉法人ごとの判定で適用されます。申請には所得証明・預貯金通帳の写しが必要。負担限度額認定との併用で、月額3〜5万円台までの軽減も可能です。

実際の軽減シミュレーション

例:年金収入120万円・住民税非課税の方
● 葵水ケ花 多床室 要介護3 通常月額:約9万円
● 負担限度額認定第3段階適用:約6万円(▲3万円)
● 高額介護サービス費月15,000円上限:約4.5万円(▲1.5万円)
● 社会福祉法人等軽減(4分の1):約3万円台(▲1.5万円)

3制度の組み合わせで、当初9万円が3万円台まで下がる試算です。実際の軽減額は所得・預貯金によって変動するため、宗德グループの生活相談員が個別に計算してご案内します。

申請の優先順位と手続き

費用軽減を確実にするための優先順位:
① 介護保険証・負担限度額認定証の確認(既に持っていれば確認、なければ申請)
② 高額介護サービス費の申請(一度申請すれば自動継続)
③ 社会福祉法人軽減(対象施設利用時に申請)
④ 医療費控除(毎年の確定申告で申請)
⑤ 高額医療・高額介護合算(年1回の年間調整)

手続きが煩雑に感じる場合、ケアマネージャー・宗德グループ生活相談員が代行・サポートします。詳しくはお電話を。

「制度を知らないと損する」が現実

厚労省の調査でも、負担限度額認定の制度を知らずに申請していないご家族が一定数いることが指摘されています。費用に不安を感じたら、施設・ケアマネ・市町村窓口に「軽減できる制度はありますか」と一言聞いてみてください。

「うちの場合いくら下げられる?」という個別シミュレーションも、宗德グループの生活相談員が無料で対応します。

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この記事を書いた人
宗德グループ 生活相談員チーム
費用シミュレーション・公的制度の申請サポート多数対応。 著者プロフィール →
出典・参考文献
  1. 厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1280(負担限度額認定)」:公式
  2. 厚生労働省「高額介護サービス費」:公式
  3. 国税庁「医療費控除の対象となる介護保険サービス」:公式