介護と医療、両方かかると負担が重くなる

高齢のご家族の場合、介護サービスを使いながら、同時に通院や入院が続くことは珍しくありません。すると介護保険の自己負担と、医療保険の自己負担が二重にのしかかります。

「高額療養費制度は知っているが、介護のほうは対象外だと思っていた」というご家族は多くいらっしゃいます。実は、両方を合算して負担を軽くする制度があります。

本記事では、①高額介護合算療養費制度、②医療費控除の2つを解説します。どちらも申請しなければ受けられません。

① 高額介護合算療養費制度

医療保険と介護保険の1年間の自己負担額を合算し、限度額を超えた分が払い戻される制度です[1]。

対象期間は、毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間です。暦年(1〜12月)ではない点にご注意ください。

判定は医療保険上の世帯単位で行われます。自己負担の合算額が、所得・年齢に応じて定められた限度額を超えた場合、その超えた額が支給されます。

つまり、ご本人が介護施設を利用しながら入退院を繰り返しているようなご家庭では、この制度が効きやすいということです。

高額療養費・高額介護サービス費との関係

混同されやすいので整理します。

高額療養費:医療費のみが対象。月単位で自己負担に上限。
高額介護サービス費:介護費のみが対象。月単位で自己負担に上限(一般的な世帯で月44,400円)。
高額介護合算療養費:上の2つを適用した後で、なお残る自己負担を年単位で合算して軽減。

順番としては、まず月ごとに高額療養費と高額介護サービス費が適用され、それでも年間で負担が重い場合に、最後の受け皿として合算制度が働きます。三段構えになっていると考えてください。

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② 医療費控除──特養の費用も対象になります

確定申告での医療費控除は、医療機関の支払いだけが対象だと思われがちですが、介護保険施設の費用も対象になります。

国税庁の定めでは、特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設)は、施設サービス費(介護費・食費・居住費)の自己負担額の2分の1が医療費控除の対象です[2]。

一方、介護老人保健施設(老健)は、同じ範囲の自己負担額の全額が対象となります。施設種別によって扱いが異なる点は重要です。

なお、日常生活費や特別なサービスの費用は、いずれの施設でも対象外です。

申請しないと、1円も戻りません

どちらの制度にも共通する、いちばん大事な点です。自動的には適用されません。

高額介護合算療養費:加入している医療保険の窓口(国民健康保険なら市区町村、後期高齢者医療なら広域連合)へ申請します。対象となる方には案内が届くことがありますが、届かない場合もあるため、心当たりがあれば自分から問い合わせてください。

医療費控除:確定申告で申告します。施設から発行される領収書に「医療費控除対象額」が記載されていることが多いので、捨てずに保管してください。

「知らずに何年も申請していなかった」というご家族が、実際にいらっしゃいます。

併せて確認したい制度

費用面ではもう一つ、介護保険負担限度額認定が効きます。所得の低い方は、施設の食費・居住費が大きく軽減されます。これも申請制です。

制度の組み合わせ方は介護費用を安くする5つの制度で、特養の費用相場は郡山・福島の老人ホーム費用で解説しています。

うちの場合いくらになるか、試算します

制度は複数あり、所得区分や世帯構成で結果が変わります。「結局いくら払うことになるのか」は、個別に計算しないと分かりません。

宗德グループでは、ご家族の状況をうかがったうえで、使える制度と費用の目安を具体的にご案内しています。本部024-937-0380へ。

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この記事を書いた人
宗德グループ 生活相談員チーム
費用軽減制度の適用可否の判断と申請サポートに、日常的に対応しています。 著者プロフィール →
出典・参考文献
  1. 厚生労働省「高額医療・高額介護合算療養費制度について」:公式
  2. 国税庁「介護保険制度下での施設サービスの対価に係る医療費控除の取扱いについて」:公式
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