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「進行したら出てください」と言われないために

認知症のある方の施設選びで、ご家族が最も恐れているのは「入ったあとに退去を求められること」です。

実際、症状が進んだ、暴力的な行動が出た、医療的ケアが必要になった——こうした理由で住み替えを迫られるケースはあります。環境の変化は認知症のある方に大きな負担となるため、住み替えは可能な限り避けたいものです。

本記事では、退去につながりやすい要因と、入居前に確認すべきことを整理します。

退去を求められやすい4つの要因

① 医療的ケアが必要になった
経管栄養、たん吸引、インスリン注射などが必要になった際に、施設が対応できないケース。もっとも多い要因です。

② 行動・心理症状(BPSD)が強く出た
他の入居者への暴力、昼夜逆転、大声、徘徊など。職員体制で対応しきれないと判断される場合があります。

③ 要介護度が施設の想定を超えた
グループホームや住宅型の施設では、重度化に対応しきれない場合があります。

④ 費用の支払いが続かなくなった
長期化により資金が尽きるケース。費用の見通しは入居前に必ず立ててください(費用シミュレーション参照)。

入居前に必ず確認する5つの質問

パンフレットには書かれていません。見学時に、言葉にして聞いてください。

Q1「どのような状態になったら、退去をお願いすることになりますか」
最重要の質問です。曖昧な答えしか返ってこない施設は要注意です。契約書の退去条項も必ず確認してください。

Q2「医療的ケアはどこまで対応できますか」
将来必要になりそうなケアを具体的に挙げて確認します。

Q3「夜間は何人の職員がいますか」
夜間対応の体制は、BPSDへの対応力に直結します。

Q4「大声や暴力が出た場合、どう対応されますか」
すぐ退去ではなく、まず原因を探る対応をしているかを見ます。

Q5「看取りまで対応されていますか」
看取り介護加算の対応があるかどうか。ここが最期までの住み続けやすさを左右します。

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BPSDに、薬以外でどう向き合うか

確認しておきたい視点がもう一つあります。BPSDが出たときに、薬で抑えるのが第一選択になっていないかという点です。

日本神経学会の認知症診療ガイドラインでは、行動・心理症状に対しては薬に頼らない非薬物的介入が第一に検討されるべきとされています[1]。

非薬物的介入とは、たとえば生活リズムを整える、本人が落ち着ける環境をつくる、自然に触れる、役割を持ってもらうといった関わりです。症状の背景にある不安や不快の原因を探る姿勢があるかどうかは、見学時の職員の言葉から伝わってきます。

住み替えを減らす施設の条件

整理すると、次の3つを満たす施設は住み替えのリスクが低くなります。

① 受け入れの幅が広い
医療的ケア、認知症の症状の両方に、ある程度対応できる。

② 終身利用・看取りに対応している
特別養護老人ホームで看取り介護加算に対応している施設は、この点で有利です。

③ 段階的な移行ができる
同じ法人・グループ内で、ショートステイから長期入所へ、あるいは状態に応じた施設間の移行ができる体制があること。法人が変わらなければ、職員や記録が引き継がれ、本人の負担は大きく減ります。

宗德グループの体制

宗德グループは、通所(離庵)・障がい者グループホーム(檀)・共生型ショートステイ(ヴィラきみかげ荘)・特別養護老人ホーム(特養 葵水ヶ花)を運営しています。

ショートから特養へ、同じグループ内で移行できることが強みです。葵水ヶ花は看取り介護加算に対応しており、栃木県那珂川町の自然環境を活かした環境ケアにも取り組んでいます。

「今の施設で続けられるか不安」というご相談も承ります。本部024-937-0380、葵水ヶ花直通0287-92-1530へ。

よくある質問

認知症が進むと施設を退去させられますか?
必ずではありませんが、医療的ケアが必要になった、行動・心理症状が強く出た、要介護度が施設の想定を超えた、費用が続かなくなった——といった理由で住み替えになるケースはあります。入居前に退去条件を確認することが重要です。
入居前に何を確認すればいいですか?
「どのような状態になったら退去をお願いすることになるか」を必ず言葉にして聞いてください。あわせて医療的ケアの対応範囲、夜間の職員体制、大声や暴力が出た場合の対応方針、看取りまで対応しているかを確認します。契約書の退去条項も読んでおきます。
BPSD(暴力や大声)が出たら、すぐ薬で抑えられますか?
日本神経学会の認知症診療ガイドラインでは、行動・心理症状に対しては薬に頼らない非薬物的介入が第一に検討されるべきとされています。症状の背景にある不安や不快の原因を探る姿勢があるかを、見学時に確認してください。
住み替えを避けるには、どんな施設を選べばいいですか?
受け入れの幅が広いこと、終身利用・看取りに対応していること、同じ法人やグループ内で段階的な移行ができることの3点を満たす施設です。法人が変わらなければ職員や記録が引き継がれ、本人の負担が減ります。
要介護1・2の認知症でも入れる施設はありますか?
あります。認知症の診断があり要支援2以上であればグループホーム、そのほか有料老人ホームや共生型ショートステイが選択肢になります。特養は原則要介護3以上のため、この段階では対象外です。

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この記事を書いた人
宗德グループ 看護師・生活相談員チーム
認知症のある方の受け入れと、重度化後も住み続けられる体制づくりに取り組んでいます。 著者プロフィール →
出典・参考文献
  1. 日本神経学会「認知症疾患診療ガイドライン」:公式
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